推拿の基本手技講習の生徒さんがいる。
40代で既婚のリラクゼーションマッサージの現場で働く、
うお座のふわっとした性格の女性である。
この方の印象は、
とにかく勘がいい、
こちらが伝わってほしい感覚を、
そのまま受け取ってくれる。
さすが感性のうお座だと、
後から思ったが、
これはまぁどうでもいいか。
指圧やリラクゼーションマッサージの拇指の押圧は、
たいてい肘を伸ばして上体を傾けを親指に圧をかける体重圧のようだ。
この押し方で親指や身体まで傷めている人を多く見てきた。
親指は、
体重圧でギュウギュウ押さなければ、
その刺激に慣れている顧客からは納得されない、
ので酷使されることになる。
だから、
身体の大きな男性が一番有利だし、
女性でも腕力があるような人は比較的このタイプの押圧の仕方で、
その現場をこなしてゆけるようだ。
ぼくが知り合うのは、
その体重圧で限界を感じ、
それらの現場で行き詰まった人たちばかりなので、
そのお悩みはすごく理解できる。
体力や体格に恵まれているプレーヤーは、
そうでない人の悩みを知らなくてもやっていける。
しかし、
そうでない人は自分の体力や体格に合わせたプレーを産み出す必要がある、
産み出す過程で様々な創意工夫をし衆知を集める、
だから個性が生まれる。
ぼくは、
推拿の教えの軸をぶらさず、
重要な要素をできるだけわかりやすく、
その人に合った受け取りやすいエキスをお伝えするようにしている。
だから、
一から十まで、
自分と同じようにやりなさい、
とか絶対言わない。
その人が求める「推拿」に繋がる役目である、
と言うことを意識している。
その人の『天』に繋がれば、
その人は自律し自立できると思う。
今日、
この感覚の良い女性にお伝えしていて、
あらためて日本に於ける既存のリラクゼーションマッサージのやり方との違いは、
「自分の手技に注目」しているか、
「相手の身体の中に注目」しているかの違い、
が大きいと思った。
この方は経歴が短いと言うこともあるのかも知れないが、
「相手の筋肉を感じながら施術したことは初めて」
と言うようなことを言っていた。
あと、
「こんなにゆっくりやってもいいんだ…」
とも言っていた。
指圧も拇指圧があるが、
ある一定の時間の長さとリズムで、
「押していく」ことが決まっている、
ようだ。
そうでないやり方もあるのかも知れないが、
ぼくが今までで知るところではそうでした。
とにかく、
手技にリズムと動きがある、
と言うことが重要視されているように思う。
推拿ももちろんそういう要素もあるが、
必ずしもマニュアル式に決まっていない。
患者さんのそれぞれの身体、
その時の状態によって手法ややり方を使い分ける。
その状態を、
改善させるのに、
一番適した手法と時間とリズムを、
その時々の身体の状態の求めに応じて変化させる。
拇指の按圧を、
10分以上も動かずに押しているだけのように見える場合もある。
しかし、
親指の先では、
患者さんの身体の中に様々な変化を感じている。
傍から見て、
同じように押しているだけに見えても、
深さは刻々と浸透し、
時には角度を変え、
時には深さはそのまま微妙に位置をずらしていく。
だから、
体重圧でやるように肘を伸ばしきって圧する、
と言うことはしない。
何故なら、
自分の身体を預けきっているようだと、
相手の体の中に変化を起こす余裕を持てないからだ。
推拿の『按』は、
自らを地に立たせ、
そこから気を戴き、
地の気を借りて引き出し、
天の気の助けを得て持続的に必要な圧をかけることが出来る。
この『按』の推し方を覚え体得すると、
親指を傷めることはないし、
施術で疲労困憊するなどないと言っていいと思う。
勘が良い、
必要な感覚を受け取ってくれると、
このうお座女性を褒めたが、
すぐに再現出来たからと言っても、
この先の追求、探求心の方が大切だ。
ぼくも気を緩めず、
伝統的に伝わってきた先人たちの知恵と技術を、
天の意志に従ってお伝えする役目を全うします。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
天と地と人 すいなの信長正義
『天と地と人』では、
推拿施術と推拿の個別指導を行っています。
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